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feminism matters

英語(とたまに韓国語)のクィア・フェミニズム系記事の翻訳の貯蔵庫。

性的暴行を受けた友達をどのように支えればいいのか

性暴力

[以下の記事はアメリカで書かれたものなので、利用可能なサポート体制などは日本と異なります。日本で性暴力のサバイバーを支援している団体として、以下のような団体があります。

レイプ・クライシス・センターTSUBOMI

http://crisis-center-tsubomi.com/

レイプクライシス・ネットワーク

http://rc-net.info/ ]

 

 

How To Help A Friend Who Has Been Sexually Assaulted

性的暴行を受けた友達をどのように支えればいいのか

 

Sarah Ogden Trotta

2013/1/21

 

原文はこちら。http://everydayfeminism.com/2013/01/how-to-help-sexually-assaulted-friend/

 

(内容についての注意:レイプとレイプ・カルチャーについて触れられています。)

 

 

想像してみてください。家でくつろいでいて、ドラマでもなんでもあなたが好きなテレビを見ている時、友達から電話がかかってきます。その友達はあなたに、性的暴行を受けたと告げます。心臓が止まりそうになり、どうすればいいか、何を言えばいいか、どんな反応をすればいいかわかりません。たくさんのことが頭をよぎりますーー犯人への怒り、自分や他の人たちも安全ではないという恐怖、友達が多くのものを奪われたことへの悲しみ、友だちが自分を信じてくれたことへの自負。もしくは何も感じないかもしれません。友達が性的暴行を受けたと打ち明けた時の正しい感じ方なんてものはありません。あなたにとってもその友達にとっても複雑な、そして致命的に重要な時間になるでしょう。あなたがどう反応するかは、あなたの友だちと、その後の二人の関係に大きなインパクトを与える可能性があります。

 

 

以下で、思いやり(sensitivity)と寛大さをもって状況に対処するためのヒントを紹介します。でも実践的なヒントに入る前に、いくつか考えてほしいことがあります。

 

  1. ジェンダーのスペクトラムにおいてどのように自分を位置づけている人であっても、性的暴行の被害者になり得ます。

 

性的暴行を受けるのは女性であるという考えがありますが、実際はそうではありません。女性、男性、トランスの人たち、あらゆるジェンダーの人たちが被害を受ける可能性があります。ゆえに、この記事ではサバイバーのあらゆるジェンダー表現を包括的に表現できるよう、theyやtheirという代名詞を使います。だから、性的暴行を受けたと打ち明けたあなたの友だちが女性でなくても、その人が女性でないからというだけで、大したことはないものとはねつけないでください。

 

  1. どのようなジェンダーや性的指向の人であっても、強姦をすることがあります。

 

私たちの強姦のイメージはたいていストレート男性による女性の強姦です。これは最もよくあるパターンではありますが、女性、LGBといったストレートではない性的指向の人が性的暴行を加える事がないとか、できないというわけではありません。だから、あなたの友だちが、ストレートの男性ではない人に強姦されたと言ったとき、とりあわないのはやめてください。

 

  1. あなたが最大限センシティヴになるために、サバイバーにとって性的暴行がもつ意味を理解しようと努める必要があります。

 

性的暴行はその人を徹底的に切り裂く暴力行為です。その人の尊厳、自律、コントロールの感覚を奪い取ります。その人の内面、パーソナルな自己の感覚への暴力です。あらゆる意味で衝撃的、破壊的です。あなたが友達を助けようとする前に、その経験がその友人にとってどんなに恐ろしいものであるか本当に理解しようと努力する必要があります。そのように努めることが、あなたがすることのできる最善の手助けになる可能性もあります。

 

  1. 性的暴行のサバイバーが助けやケアを求めようとしたとき、構造的、社会的なバリアが存在します。

 

レイプ・カルチャーという語はこのバリアを完璧に体現しています。多くの強姦のサバイバーは信用されず、責められ、暴力的な犯罪を受けたことで辱めを受けます。残念ながら、あなたの友人が、自分を助けてくれる人に自分の経験を語ろうとするときでさえ、これが実際に障壁になるのです。強姦についての裁判で「強姦」という語を使うことを許さない裁判官、「不思議な事件」という見出しのもと報道される性的暴行事件。この2つの例は、性的暴行を受けた後、ケアを手に入れようとしたときにぶつかるより大きな構造的障壁の現れの一部です。

 

おおっぴらに性的暴行の深刻さを否定する制度から、一体どのようにサバイバーが安心を感じ、助けを求める事ができるというのでしょうか。だから、あなたの友だちが警察やセラピストに事件のことを打ち明ける準備がまだできていないとしたら、そうするように言わないでください。どんなに善意からのことであっても、あなたの意見を押し付けることは、したくないことを無理やりさせられるという感覚を強めるだけです。これは強姦されたあと、最も遠ざけておきたい感覚です。

 

 

性的暴行の直後、どうするべきか [※アメリカの場合]

 

あなたの友だちが性的暴行を受けて7日以内であれば、あなたの友だちが通報を望む場合、証拠集めに関してできることがいくつかあります。あなたの友だちは刑事事件としての告発を望むかもしれないし、まだ決められないかもしれないし、興味もないかもしれません。それはあなたの友だちが決めることです。覚えておいてください。証拠を集めるのはその時しかできないかもしれませんが、告訴するかどうか決めるのは後でもいいのです。

 

だから、あなたの友だちがそうするつもりがあっても、まだわからなくても、あなたの地域の病院の緊急治療室に行ってみるのは役に立ちます。知っておいてほしいことは以下のことです。

 

緊急治療室のスタッフは法医学的な検査をし(レイプ・キットと呼ばれるものです)、犯行の証拠を集める事があります。事件から7日以内の場合、そういうことがあります。強力な証拠を集めるために、暴行があった後、サバイバーはシャワーを浴びたり、トイレに行ったり、食べたり、歯を磨いたり、服を着替えないようにと言われることがあります。起訴する場合に役に立つ他の証拠を提供することもできます。シーツやブランケットなど、犯人のDNAが付着していると思われるものなら何でも。病院が証拠を保存する可能性があるので、必要であればあなたの友だちの着替えを持って行ってください。必要があれば、性感染症の検査をしたり、後日検査を勧められることがあります。妊娠のリスクが有る場合、緊急避妊薬を処方することもあります。

 

たいていの病院は、このプロセスの間、サバイバーをサポートする人を置いています。病院がそういう人をつけてくれない場合、レイプクライシスセンターから人を呼んで同伴してもらう事ができます。感情的なサポートに加え、サバイバーの法的権利や取りうる選択肢について教えてくれるはずです。こういった人たちは、サバイバーの友人や家族をサポートするよう訓練されてもいるので、心配なことがあれば相談してみると良いでしょう。

 

 

あなたの友だちを支えるためにどうすればよいか

 

性的暴行がいつ起こったものだとしても、以下のヒントはあなたの友だちを支えるのに役に立つでしょう:

 

  1. 聞くこと

 

もちろん、話を聞くことが一番です。あなたも聞いたことがあると思います。でも、待ってください。私は、「聞く」ための他の方法を求めたいと思います。

 

私たちが友達の話を聞くとき、たいてい「次」のことを考えながら話しています。ある特定のことを聞こうとしたり、うまいことを言うタイミングを探したりします。ちゃんとしないといけないと思いすぎ、その場で、友達の言葉をほんとうの意味で聞く代わりに、次に何を言おうかということを考えている、ということがあります。でも、私たちの心は聞くこと、理解すること、次に何を言うか考えることを同時に処理することはできません。次にどうするか計画したり、相手があなたが求めることを言うのを待つのではなく、聞くことに集中する必要があります。

 

あなたの友だちは話をほんとうの意味で聞いてもらう資格があります。みんなそうですが、暴力的な事件を切り抜けた後は、とりわけそれが必要になります。

 

沈黙は悪いことではありません。あなたの友だちが話し終わったら、何かを言う前に、考えるための間をとってください。そうすれば、あなたの聞いたことを頭のなかで考える時間を持ち、聞いてる時に次に何を言うか考えるのを避けることができます。

 

  1. あなたが悪いのではないと思い出させてあげること

 

サバイバーに絶対に言ってはいけないことの例は以下の様なものです:

 

その時何を着ていたの?

気を持たせるようなことをしたんじゃないの?

酔ってたの?

誘惑したの?気がある素振りを見せたんじゃない?

なんでやり返さなかったの?

嘘ついてないよね?

 

サバイバーを責めるこういった趣旨の言葉を避け、「絶対に」あなたが悪いのではないと伝えて下さい。どんな事情があったって、レイプされても自業自得なんてことになるはずがありません。責任は完全にレイプ犯にあるのであって、サバイバーにはありません。

 

誰かが強盗にあったら、強盗が悪いのです。素敵な服を着ていたとか、夜に一人で歩いていたとか、お金の入っている財布をもっていたとか、つまり普段どおりのことをしてたとき、強盗にあった責任はその被害者にはありません。

 

強盗にあうリスクを下げるよう努力することぐらいはできるかもしれません。しかし、罪を侵さないという責任はいつも犯人のほうにあります。

 

 

  1. 慎重に質問すること

 

決めつけなしに質問をすることは非常に重要です。もちろん、何がおこったかをちゃんと理解するために質問をしたくなることもあるでしょうが、それについて正直に言ってください。

 

「いくつか質問をするよ。でも、これは私があなたに起こったことを理解したいから聞くのであって、あなたが悪いと思っているから聞くんじゃないからね。いいかな?」のように、質問をする前にあなたの意図を伝えることは役に立ちます。「どうして」ではじまる質問を避けることも有用です。なぜ、どうして、という質問にはある種の決め付けがすでに含まれているように思われるからです。言い換える方法はいくらでもあります。

 

  1. あなたの友だちの自律(autonomy)を尊重すること

 

あなたの友だちの自律、そして友達が自分で自分のことについて決められる能力を尊重することは非常に重要です。だから、どんなに善意からであっても、セラピーを受けなければならないとか、警察や親に言わなければと無理強いするのは適切ではないと私は思うのです。

 

暴行を受けたとき、あなたの友だちは、自分のことを自分で決めたり、自分の生を自分で完全にコントロールする能力を暴力的に剥ぎ取られたのです。あなたにそのつもりはないかもしれませんが、その友達に「〜〜しないといけない」と言うことは、犯人がそうしたように、友達からその能力を再び奪うことになります。

 

その友達が訓練を受けた人に話を聞いてもらうほうが良いと強く思うのであれば(そしてそう思ったあなたはおそらく正しいのですが)、「〜〜しないといけない」と言うことを避けて、それを伝える方法があります。セラピストに話を聞いてもらうのが自分の役に立ちそうかどうかを考えたことはあるかを尋ねてみてください。でも、どんな返答が返ってきても自分の意見を押し付けないでください。

 

 

  1. サバイバーの反応は複雑で多様であると理解すること

 

性的暴行を経験する方法は人によって異なり、複雑です。あなたの友だちの反応は重層的で、回復への道も直線ではありません。6月には大丈夫そうに見えた友達が8月には憔悴しきっているかもしれません。ある日には感覚が麻痺していても、その次の日には怒っているかもしれません。それで構わないのです。そして、あなたとあなたの友だちが、あれこれどんな反応であれ、完全に普通の反応なのだと理解することがとても大事です。この経験の複雑さを理解することが重要なのです。これは上述の1と2に関連しますが、それ以上を意味します。

 

恐ろしい犯罪に対する典型的で、普通とされている反応以上に、事件によって衝撃を受けているのはどうしてか、その友達の話を聞いてください。

 

あなたの友だちはカトリックで、結婚するまでセックスするつもりはなかった?

あなたの友だちはトランス女性で、事件によってアウティングされてしまった?

あなたの友だちは男性で、性的暴行を受ける男性へのスティグマのせいで恥を感じている?

 

性的暴行の政治的・文化的な意味、そしてそれがあなたの友だちにどんな意味をもつかを理解することは、彼らの経験を理解する上で役に立ちます。わからなければ、調べてみてください。勉強の途中だけれど、あなたのことを知りたいのだとその友達に伝えて下さい。そして耳を傾けてください。

 

 

  1. 安全を確保するのを手伝うこと

 

あなたの友だちの話を聞き、その友達が悪かったのだと言わないことで、あなたはその友達が感情的な安全を得ることを手助けできます。しかし、安全の意味はそれだけではありません。身体的な安全は、その友達が自分の生活を再び取り戻すことができるかどうかを左右します。あなたの友だちは、教室に行ったり、一人で歩くことを恐れていますか?車やバスに乗ったり、人混みの中にいたり、一人になったとき、安全を感じられているでしょうか?

 

安全を確保する上でもっとも重要なことの一つは、生活を続けていく方法を見つけることです。あなたの友だちにとって、日々のタスクをこなすことに恐れが伴い、身動きできないというなら、あなたが助けられることもあるでしょう。あなたの友だちに付き添ったり、お使いをしたり、怖かったり気落ちすることを代わりにしてあげたりできると提案してみてください。友達と一緒に帰ってあげるとき、友達が中に入る前に電気をつけてあげたり。あなたの友だちは安全を感じるために助けが必要かもしれず、あなたの友だちと、その友達との関係次第で、あなたができる小さなことはたくさんあります。

 

 

  1. 使えるリソースを教えてあげること [※アメリカの場合]

 

でも、これはあなたの友だちが欲しいと思ったときだけです!あなたの友だちが関心があるかどうかを確認する最善の方法は、尋ねることです!興味が無いなら、紹介しないでください。興味があるなら、手始めに以下があります。

 

   Rape Abuse & Incest National Network

   National Sexual Violence Resource Center

   Tips for finding a therapist

 

  1. あなた自身を労ってあげること

 

他人を助ける上で、セルフケアは非常に重要です。あなたが自分自身に正直でいられないなら、友達に自分をさらけ出すこともできません。もちろん、あなた自身を労ることの意味は、人によって違います。犯人があなたの知り合いである場合、その人と今後の付き合いをどうするのか知ることもその一つかもしれません。(友達に、どうして欲しいか聞いてみてください。)もしくは、あなた自身が安全を感じられる方法を探すことかもしれません。世界があまりにも酷い場所であるという話を聞きつつ、同時に、世界の美しさを忘れないようにする方法を探すことかもしれません。あなたにとって、セルフケアが何を意味するものであれ、あなた自身がどうしたいのかを理解することが大事です。

 

どんなものであれ、トラウマになるような事件を経験したあなたの大事な人をサポートすることは、非常にしんどいことになりえます。どうしようもなく、恐ろしく、むき出しの感情に対処することになります。あなたの友だちをほんとうの意味で助けるために、貴方自身が感情的に健康である必要があります。あなたの友だち以上にあなたが苦しんでいるときに、友達を助けることはできません。

 

 

Sarah Ogden Trotta is a psychotherapist at ContactLifeline, Delaware’s Rape Crisis Center. She can be reached at strotta@contactlifeline.org. Follow her on Twitter @xsogden. Read her articles here.