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feminism matters

英語(とたまに韓国語)のクィア・フェミニズム系記事の翻訳の貯蔵庫。

人々がフェミニズムをdisる安直な6つの方法—そしてどう動じずに言い返すか

フェミニズム101

 

6 Cheap Ways People Dismiss Feminism – And How To Hold Your Ground When They Do

人々がフェミニズムをdisる安直な6つの方法—そしてどう動じずに言い返すか

 

原文はこちら。http://www.bustle.com/articles/71482-6-cheap-ways-people-dismiss-feminism-and-how-to-hold-your-ground-when-they-do

 

Suzannah Weiss

2015/3/30

 

誰かを批判したとき、その相手があなたの意見を逆手に取って言い返してきた、なんて経験はありませんか?性差別(もしくは人種主義やホモフォビアなど)の問題に人の注意を向けようとするとき、ダブルスタンダードやマイクロアグレッションを指摘することや、逆に過剰反応とか深読みしすぎと批判されることへの苛立ちを知っている人は多いでしょう。友好的な議論には大賛成ですが、一部の人達はあなたの立場を理解しようとしているのではなく、disろうとしているわけです。以下に、私が見たことのある、人々がフェミニズムをdisるために使う安直なトリックと、そんなトリックからあなたが自分を守るためにどんなことを言うことができるかを紹介したいと思います。

 

 

  1. ガスライティング

例えばこんな感じ:「過剰反応だよ」「それは君の主観だよ」「何を言うにもいちいち許可が必要ってこと?」「棒や石は体を傷つけるけど言葉は君を傷つけたりしない」

フェミニズムをdisるためだけでなく、誰かに批判されるといつでも「ガスライティング」を使う人がいます。ガスライティングとは、問題を告発した人に、そんなこと言う人のほうがおかしいとその人の見方を疑わせ、こんなことを問題に思う自分のほうが悪かったのだと、自分自身を責めるようにさせることです。この戦略は、気にしすぎるほうが悪く、もっと図太くなったほうが賢いのだ、といった言葉で現れますが、騙されてはいけません。そういう言い方は、結果に責任をもつことなく言いたいことを言い放題したい人たちの言い訳だからです。細かいことを気にするな、とあなたを励ますことで、彼らはその本質を露わにしています。つまり、彼らの言うことに対処するには図太くないとやってられない(ぐらい酷い)ということです。あなたが気にしすぎかどうかという問題と、実際彼らが酷いことを言っているかどうかは別の問題です。

あなたがその人の言ったことではないことに反応しているとか、すべてあなたの妄想だったとか(その場合でも、一度疑ってみるのは悪く無いと思いますが)、そういう場合でもないかぎり、あなたを攻撃した側に責任があるのです。誰かがパンチしてきたら、あなたが傷つきます。誰かが無神経で中傷的なことを言えば、あなたが動揺するのも当然なのです。そしてあなたの意見が聞かれるべきなのです。

最近、ドラマGirlsのエピソードの中に、フェミニストにガスライティングする事例が描かれていました。同じライティングのクラスの男性が、男性ばかりを優れた著者として例示したのを受け、ハンナはそれってどうなの、と意見するのですが、彼はハンナを「ヒステリックだ」と言ったのです。性差別を誰も指摘しない場で、それに気がつくのはヒステリックな女のすることだそうです。ちがいます。ただ、あなたは人よりも勘がいいのです。

どうやって応答するか:ガスライティングしてくるやつらに、「私は、あなたみたいには、あらゆるものへの反応を完全にコントロールする能力は持ってないかもしれませんね。ところで、あなたは火の中を歩いたことはあるんですか?」みたいに応答することを妄想したりします。たぶん、ガスライティングをしてくる側だって人間であって、あらゆるものへの反応を完全にコントロールすることは誰にだって不可能で、攻撃されて嫌な気分になるのも当然だと指摘するのが良いのではないかと。彼らに、自分がガスライティングされたらどんな気分になるか聞いてみるとか。

 

  1. 男の権利を持ち出す

たとえばこんな感じ:「この社会は男性に非現実的なぐらいのあれこれ求めているんだよ」「君は男であることがどういうことかわからないんだから、女性のほうが大変な思いをしてるなんて言えないだろ」

もちろん、女性が差別されていると言えます。他の誰でもない私が、その現実を毎日生きているからです。女性差別があることを証明する統計もあり、私たち自身が生き証人です。この社会で女としてあることのクソさに慰めがあるとすれば、性差別を深く、個人的なレベルで理解し、それを他の人と共有することができるということです。男性がジェンダーに基づく偏見と闘っているということはもちろんわかっています。男性が、性的暴行の被害にあった時にそれを軽んじられることに怒りを覚えます。でも、誰かの家が火事で燃えているときには、「溺れて死ぬ人だっているんだから」なんて言いません。ただホースをもって駆けつけるべきなのです。

私は男として生きることがどういうことかわかりません。でも、私たちの社会が男性の視点をデフォルトかつ普遍的なものとしているので、男性の視点は、女性やジェンダー・クィアな人、その他自身の経験が軽んじられている人たちの視点よりずっと簡単にアクセスできるものです。男性や他の特権的な集団の人々は、このように構造的に沈黙させられている声を聞こうとすることによって得るものは多くあります。

どう応答するか:抑圧されている人が統計的にその抑圧を証明する義務はありません。しかし、あなたの生きた経験を軽んじようとする人を説得しようとするなら、賃金格差の統計、リーダーの地位における女性の割合の少さ、セクシュアル・ハラスメントについての統計などを手元に置いておくと役に立つこともあるでしょう。

 

  1. フェミニストのパラノイアだという

たとえばこんな感じ:「君は性差別をわざわざ探して自分から首を突っ込んでるんだ」「それって確証バイアスじゃないって自信を持って言える?」「君は揚げ足取りだな」「深読みしすぎだよ」

こういうコメントを投げかけてくる人は、あなたがフェミニストであるから、パラノイドであって、客観的に物事を見ることができないのだと言っているわけです。でも、私たちの社会の問題を批判的に考察し、メディアを鵜呑みにせず疑ってみたり、他の人の意見の前提を問うてみたりするのは、出来事を正確に報告するのとは違います。ガスライティングする人と同じく、フェミニストをパラノイアだと非難するひとたちは、まるであなたが性差別の色付きのメガネをかけていて、あなたの周りのあらゆる人々を性差別主義者だと批判しているかのように振る舞います。いや、もしくは、本当に周りの人たちが性差別主義者ばっかりなのかもしれませんが。

どう応答するか:こういうとき、自分はパラノイアや妄想癖をもっているのではないと証明しようとする必要はありません。でも、前の事例と同様に、そういう風に言ってくるひとがいるとき、手元に統計を置いておくと役に立つかもしれません。

 

  1. 人類の連帯という高邁な理想を持ち出す

たとえばこんな感じ:「みんな同じ血の色をした人間なんだから」「男とか女とかじゃなく、人は人。」

あなたが直面している抑圧や差別についての話が、自分のジェンダーも人種も階級も存在しない世界観にあてはまらないとき、その人はあなたの話を否定し、消去します。こういった抵抗は、しばしば説明と処方箋をごっちゃにしていることに起因します。あなたが、人々が人種やジェンダーといったカテゴリーで分類される世界を描き、そこでのある特定のカテゴリーの人々の経験へ注意を喚起しようとしたとき、彼らは、あなたがそういったカテゴリーを補強しようとしているのだと心配するわけです。でもそういうことではありません。あなたはただ、あるがままに話しているだけです。

人類の連帯を持ち出すひとたちは、罪悪感からそうしている場合もあります。特権を持ったグループの人達は、誰かの抑圧に自分が加担しているとか、そこから自分が利益を得ているということを考えたくないわけです。人類の連帯を持ち出すことで、それを無視することができると思っているわけですが、それは歴史を無視しています。

どう応答するか:あらゆる人種、階級、ジェンダーの人たちが手と手を取り合ってKumbayaを歌うような世界が実現すればいいという希望をあなたも持っていると説明し、でも現実の世界はそうはなっておらず、そういう未来を実現するためには現在女性や他の周縁化されている人たちが直面している課題をどうにかすることが必要だと伝える。

 

  1. 科学を持ち出す

たとえばこんな感じ:「男のほうが数学が得意だし」「女は感情的だし」その他諸々。

男女の差異についての「研究」はあふれていますが、根拠が疑わしいものも多く、全てが性差別主義者が言うような不平等を正当化するわけでもありません。文化が私たちの考え方や振る舞いを形作るのだということを覚えておく必要があります。ジェンダーの差異についての研究を、男女が別々の扱いを受けるべきだと主張するのに使うよりも、そのような不平等な扱いのほうこそが、ジェンダーの差異を生み出しているという可能性を考えるために使うべきです。たとえば、ある興味深い心理学の研究では、両親が幼少期から男の子と女の子を別々に認識し、扱うことを明らかにしています。女の子の服装をする男の子たちを見ている時でさえ、大人は「女の子はより社交的だ」と考えたりします。息子の木登りする力を正確に予想しつつも、娘が木登りする能力は低く見積もります。こういった認識の違いは、子どもが生まれた瞬間から発動し、自己充足的な予言になっていくわけです。

どう応答するか:科学の研究も、ジェンダーの差異は文化によって作られていることを示していると伝える。そして、ジェンダーの差異を生み出しているセクシズムを自然なものとして正当化するべきではないと言う。

そして、たとえジェンダーの差異が存在したとしても、たっくさんの重複があると伝えるのもいいでしょう。実際、男女の間に差異があるように、女性の間にも差異がたくさんあります。男女の差異として一般化することで、人種や階級、生まれ育った文化の影響を無視することになります。いうまでもなく、そういう一般化は、ジェンダーと染色体の話をいっしょくたにしてトランスの人たちを消去します。ジェンダー差異について話すことは有益になりえますが、それは、そういった差異を生み出す文化という文脈にしっかり位置づけられ、ジェンダーと他のアイデンティティは常に交差しているのだという前提に立った時のみです。

 

  1. 藁人形論法

たとえばこんな感じ。「女性のほうが優れてるって言いたいの?」いいえ、そんなこと言ってません。「男はDVや性的暴行の被害者にならないって?」そんなことも言ってません。「男と女に差はないってこと?」そんなこと言った覚えもありません。

どう応答するか:いいえ、いいえ、いいえ。どれも言っていません。私がそんなことを言ったと言われても、そんなことは言っていないとしか言いようがありません。

 

 

こういったtipsは役に立つかもしれませんが、覚えておいてください。こういう人たちに応答するのは、別にあなたの義務ではありません。反フェミニストや男性の権利活動家、ガスライティング常習犯は、人の話を聞く耳をもった人たちとは限らず、関り合いにならないということが一番の解決策であるときもあります。とくに、あなたがオンライン上でクソリパーに絡まれているなんて場合には。

 

もっと重要なことは、あなたがあなたの意見に敵対的な人に語りかける言葉は、そのままあなた自身に語りかける言葉だということです。あなたは過剰反応してるわけでなく、男性の権利を否定しているわけでも、パラノイアでもなく、人類の連帯の可能性を過小評価したり、科学を否定したりしているわけでもありません。他人があなたに言わせようとする言葉とあなたが実際に言ったことも違います。大丈夫、ちゃんと闘えています。だから、心配せず、これまでやってきたようにやり続ければいいんです。