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feminism matters

英語(とたまに韓国語)のクィア・フェミニズム系記事の翻訳の貯蔵庫。

ヒラリー・クリントンに勇気づけられた少女たちへ

For Little Girls Inspired By Hillary Clinton

ヒラリー・クリントンに勇気づけられた少女たちへ

 

2016/7/29

Kelly Hayes

 

原文はこちら。https://transformativespaces.org/2016/07/29/for-little-girls-inspired-by-hillary-clinton/

 

ブラックとブラウンの肌のひとたちがより大きな自由、安全、自己決定を得られるようにするために活動している先住民の女性として、選挙政治には関心がありません。私は街頭の活動家で、直接行動を人に教えています。投票はハーム・リダクション(被害を少なくする行動)の行為だと思っており、いつ・どのように投票に参加するかは慎重に選んでいます。その上で、私は今年の大統領選について、左派の人たちと投票先について口論するつもりはありません。大統領選での投票行動については私が専門にして活動する分野ではありませんし、多くの難しい問題があることはわかっています。トランプに大統領になってほしいかって?もちろんお断りです。ヒラリー・クリントンを憎んでいるかって?言葉では言い表せないほどです。なぜ人々がトランプの当選を阻止するために彼女に投票するのか、その理由をわかっているかって?よくわかっています。

同様に、ドナルド・トランプの脅威を理解しつつも、ヒラリー・クリントンを大統領にしようという運動に乗ることのできない人たちがたくさんいるのはなぜか、ということもわかっています。こういう棄権行為は特権的な行為だという人もいるでしょうが、ヒラリー・クリントンに投票できないと言っている私の知人の多くは、自分たちの、そして他の差別されている人たちの生活を破壊することに加担したくないと考えている、自身もまた差別を受けている側の人達です。

でも、ヒラリー・クリントンに投票する・しないにまつわる論争のそれぞれの立場はよくわかります。ちゃんと知っています。

私が我慢ならないのは、民主党大会でヒラリー・クリントンが正式に大統領候補になった翌朝に目にした、「クリントンに問題はあるにしても、彼女が大統領候補になったことはあらゆる女性にとっての勝利だ」という大量のコメントです。そんなポストをした人たちに、「金持ちの白人女性の勝利は、全ての女性の勝利ではない」という当然のことを改めて指摘したところ、クリントンを見て「いつか自分も大統領になれるかもしれない」と信じた少女たちのことを考えろ、と何度も言われました。

そこで、その言葉について少し考えてみました。もし私の声が届くとすれば、クリントンに勇気づけられたという少女たちにどんなことを伝えたいか、述べようと思います。

 

いつか自分も、ドローンを使ってブラウンの人たちを攻撃することができるようになると信じている全ての(白人の)少女たちへ。

もっと素晴らしいロールモデルや夢を見つけられますように。

あなたの住んでいる国は、黒人差別をし、先住民差別をし、終わりの見えない戦争を続けています。金持ちで、差別されている人たちに数えきれないほどの犯罪をしてきた人殺しの女性を夢見るべきではありません。あなたは何にでもなれますが、選挙でトップに立とうとするよりも、他の人たちに親切で思いやりのある人になること、白人至上主義のもとでかき消されている声を届けられる人になるほうが良いだろうとアドバイスします。

ヒラリー・クリントンが、夫が大統領であった時代には彼の支持者として、そして国務長官として、多くの人にどんな害をもたらしてきたのかを理解するにはあなたはまだ幼いかもしれません。もしかすると、大人たちはそういった話からあなたをあえて遠ざけようとしているかもしれません。白人のリベラルな家庭の多くは、幼い時には人種主義というものを(ブラックやブラウンの子どもたちが無理やり理解させられるようには)理解しなくても良いという間違った考えをもっているからです。

でも、教科書でアメリカの女性の歩みについて学ぶとき、それが「白人女性の」歩みであるということにすぐ気がつくでしょう。たとえば、アメリカの「女性」は1920年8月18日に投票権を獲得した、というような記述に出会うでしょう。そしてその勝利を勝ち取った白人の婦人参政権活動家たちの名前がリストされるのです。しかし、ここで忘れられているのは、その白人の婦人参政権活動家たちは、自分たちの目標を実現するために、しばしば人種主義的な言葉を使っていたということです。アメリカにおいて、白人女性にとっての「勝利」はしばしば、ブラックやブラウンの人々の犠牲を対価に実現されてきたのです。今日のヒラリー・クリントンのように。

あなたのような少女たちが、大きな夢を持ち、不可能と言われたことも成し遂げる人になることを願っています。笑えと言ってくる男なんて無視し、あなたを「直す」ためにローションだのヘアスプレーだのブラだのを買わせようとする広告なんて鼻で笑う、そんな人になってほしいと思います。レイプ・カルチャーや家父長制に屈しない、強い人になって欲しいと思います。そして、あなたとは違う見かけをした人たちに破滅と死をもたらすであろう女性の「戴冠」によって、あなたの価値が左右されることはないのだと、いつか理解して欲しいと思います。あなたの可能性はあなただけのものです。あなたは素晴らしいことを成し遂げることができます。そう願っています。私たちにはあなたが必要で、世界があなたを必要としています。

もう一人のヒラリー・クリントンが必要なのではないのです。

もしヒーローを見つけたいなら、たくさんいます。そのうちの一人はベルタ・カセレスです。いつか彼女のことを知り、そして彼女の死とヒラリー・クリントンの関係について覚えておいてほしいと思います。