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feminism matters

英語(とたまに韓国語)のクィア・フェミニズム系記事の翻訳の貯蔵庫。

Youtubeコメディ、社会的責任、「ハリエット・タブマンのセックステープ」

性暴力 歴史 表象

YouTube Comedy, Social Responsibility & "The Harriet Tubman Sex Tape"

Youtubeコメディ、社会的責任、「ハリエット・タブマンのセックステープ」

 

2013/8/16

chescaleigh

 

(「差別ですよと言われた時に謝る方法」の動画作成者のchescaleighが、動画内で言及していた「社会的責任についての動画」がこれです。トランスクリプトがなかったので、動画を見て、聞きながら翻訳しています。細かいところは省いていて、いつも以上に荒い翻訳です。)

 

動画はこちら。

www.youtube.com

 

みなさんこんにちは!いつものように金曜に更新する動画を作って、撮影もしていたんですが、直前にトピックを変えました。いま世界で起こっている最新のことについて話したいからです。初めて私のチャンネルに来た人へ。私は普段はコメディ動画を作っていますが、シリアスな話題の動画も作ります。スラット・シェイミングとか、デートレイプ、ボディ・イメージ、LGBTの権利、セーフセックス、人種主義など。コメディとして面白く、笑えるけど、教育的で知的でもあるようなコンテンツを目指しています。だから、今日は、Youtubeのコメディと社会的責任についてみなさんと話したいと思います。こう思い至ったのは、最近Youtubeで非常に関心を集めている、「ハリエット・タブマンのセックステープ」という動画がきっかけです。タイトルからご察しのように、本当にひっどい動画で、いろいろな意味で最悪です。要するに、「ハリエット・タブマンは自分のセックスの技で奴隷主から自由を得た」という創作で、私はこの動画についていくつか言いたいことがあります。

 

この動画について話す前に、私がyoutubeで動画を上げるようになった経緯について話します。Youtubeに動画を上げるようになった頃、私はスタンドアップ・コメディ(ステージのマイクの前に立って、話と話術で笑いを取りに行くコメディ。)をしていました。大体4年ぐらい、休みもはさみながら。そこで黒人のコメディアンとして、怠惰にならず、人種的ステレオタイプに頼らず笑いを取りに行くことや奴隷制について話すことの難しさに気が付きました。白状しますが、私もそういうことをやっていました。そういうことをやる黒人のコメディアンは「PCなんて気にしないし〜」っていう態度で、尖っててかっこいいと本当に思っていたんです。実際、こういう罠にはまる黒人のコメディは多いし、Youtubeでもよく見る光景です。奴隷制についてや、奴隷制が今日の私たちの生活にどう影響しているか、人種主義がいかに制度化されているのか、私たちが奴隷の無給の労働と抑圧の上に成り立っている国に住んでいるという事実についての知識が根本的に欠けているんです。だからたとえば、奴隷制についてネタにする黒人のコメディアンは、それが白人にとってクールに見えるからやっているわけです。「ほら、自分は奴隷制についていつまでもうるさくいう他の黒人とは違うよ」と。でもそういう人たちは、その白人たちはあなた「と」笑っているのではなくあなた「を」笑っているということに気がついていません。そして、そういうステレオタイプを反復し、私たちの歴史を矮小化するとき、あなたは「他の人にもそういうことやってもいいよ」というお墨付きを与えているわけです。黒人はステレオタイプ通りに一様で、そういう扱いを受けても気にせず、奴隷制の歴史は大したことはなく、私たちが毎日直面している制度化された人種主義や経験と無関係であると。でもそれはまったくの嘘です。自分のためにならないし、周りの人にとっても悪影響です。だからもうやめて!

 

私がそういう馬鹿なことをしてしまったとき、私のチャンネルをフォローしている人がそれを指摘してくれることに私は感謝しています。ある女性が私にコンタクトをとってくれて、名前を思い出せないですが、電話で話して、本当に良かったと思っています。ものの見方が変わって、違うアプローチで「コンシャス・コメディ」をやろうと思うことができました。だから私も、この動画で同じことを件の動画の製作者にしたいんです。個人的な攻撃ととってほしくないし、教育的な目的で作った動画だと理解して欲しいと思います。

 

次に件の動画で最悪だと思ったのは、ハリエット・タブマンが、彼女を解放するよう脅迫するために奴隷主を「誘惑」するシーンです。そこで彼女は、以前は奴隷主との「特別な時間」を嫌がるような演技をしていたと言います。

 

うぁぁぁ。要するにレイプです。奴隷が、奴隷主とのセックスに「合意」することは不可能です。囚人がガードとのセックスに合意できないのと同じことで、権力のダイナミクスの問題です。奴隷は、奴隷主とのセックスに合意する前提となる自分の身体への権利を持っておらず、奴隷主は奴隷を囚え、虐待しているんです。何度も言いますが、こうやってレイプを軽々しく扱うことは、要するにあなたがレイプの深刻さをわかっていないことの証拠です。そして、レイプが黒人を抑圧して白人至上主義を維持するため、恐れを植え付けて家族を破壊する道具として使われたこと、とりわけ奴隷制の時代には、レイプは奴隷主にとって、まるで奴隷が家畜であるかのように、自分の富を増やすための手段であったこと、黒人女性はそういう動物であって黒人女性に対してはレイプは成立しないとさえ言われた歴史をわかっていないということも示しています。奴隷と奴隷主の「特別な時間」なんてセリフを書くのはレイプを全く解ってないからです。

 

この件についてツイッターで発言しはじめたとき、数人から、いやたくさんの人から、「ただのジョークじゃん、気にするな」とか「誰かを傷つけてるわけでもないし」とか「嫌なら見るな」というリプライが飛んできましたが、ふざけないでください。あなたがたとえばレイプのようなシリアスな話題をジョークにする時、あなたがやっていることは、レイプカルチャーに加担し、維持しているということで、それは本当に深刻な悪影響があるんです。

 

たくさんの女性や男性が性的暴行を受ける経験をしているという事実、そういう人たちが自分の経験について語らず、自分の経験を語っても「でっちあげじゃないか」と言われる事実を考えてください。レイプについてジョークにすることは、そういう有り様に加担することです。とくに、若い子どもたちに対して、レイプなんて大したことじゃないし、笑いのネタだし、件の動画で示されているように、「でもその結果いい思いをしたんだろ」と言っても良いと教えることになります。そうやってあなたは性的暴行の被害者を傷つけています。「あなたとの特別な時間を嫌がるふりしてたけど、本当は…」(動画内のハリエット・タブマンのセリフ)ですって?それこそまさにレイピストが言うことじゃないですか!「喜んでると思ったのに」って。そんな考え方に加担するのは無茶苦茶だし、実際に被害が及びます。だから、私たちはこういう動画を無視せず分析するし、一度発された言葉は力を持って実際に影響を及ぼすんだということを覚えておくことが大事なんです。

 

そういうわけで私はこの件についてツイッターで話し始めたんです。Nワードを使ったりブラックフェイスをやったりするすごく人気のアカウントがあるんですが、その彼がこの騒ぎに乗り込んできて、とても見苦しいことになりました。私と彼のやりとりしたからひどいことになったというより、彼のファンが割り込んできて、私を脅迫したり、Nワードで罵ったり、私の写真の上にslutだのwhoreだのと書いたり…とにかく目も当てられないようなことになりました。

 

私の動画に対する批判への、こういう反応を分析するのはとても大事だと思います。こういう反応自体が、彼らの作っているコンテンツの中身が一体何なのかをよく表しているからです。批判を受けて、人格攻撃に走ったり、脅迫に走ったりするのは、自分たちの方に分が悪いとわかっているからです。私は罵倒もせず、人格攻撃もせず、その人の知性を侮辱せず、批判者やその両親まで馬鹿にしたりせず、問題点を分析して指摘できます。それを恐ろしく感じる人がいるようです。ここでの問題は、とくにあなたの周りに若い子どもたちがいて、その子どもたちに、批判に対処する方法は、脅迫したり人格攻撃することだと教えていることになるということです。それは本当に恐ろしいことです。

 

だからこそ、こういう問題について建設的な方法で話したいと思います。私のyoutubeチャンネルの目的はあなたを笑わせることだけでなく、考える切っ掛けをつくることだからです。とくに、こういう動画を作っているときは、すべての人といい感じに仲良くしようとして作っているわけではありません。考えに同意できないときもあるし、再生回数を獲得するためになら「それってどうなの」ということをやっている人もいます。私はもう10年以上前にそういう子どものようなメンタリティは卒業しました。私はこの動画を作る時、あなたが安心して動画を見て、学ぶ機会になればいいと思っているし、あなたが何者であるか、誰を愛しているのか、どこ出身なのか、どんな見た目なのかを理由に嫌な思いをしないですむようにしたいと思っています。もし私がこういうことを理由にあなたに嫌な思いをさせたとき、それを指摘する必要があり、必要なら私が態度を改められるように、攻撃的にではなく建設的に会話ができると思うなら、ぜひそうしてください。私は完璧ではないし、完璧であったことなどないし、成長したいと思うし、あなたにもそうしてほしいし、自分が言うことを自分で実行しないとあなたにもそうしてほしいと言えないと思います。だから私はこの動画をエンターテイメントと教育の場にしたいんです。

 

今まで話してきましたが、ぜひコメントで、あなたはどうやってポジティヴな社会変化を起こしたいと考えているか聞かせてください。